いきなり妄想してしまってごめんなさい。
昨日ちょっと夜マンションがうるさくてほとんど眠れなかったん。
何かでかい音で音楽鳴らすわ、どかどか大きな音たて出すわ、お経みたいなんを全力で歌い出すわで、
こんな非常識な夜は初めてだったよ。。
全く最近の神戸大学生は。ぶつぶつ!!
でね、眠れないので妄想しました。
「穴を掘って地球の裏側まで行きたいという小学生の夢をどれだけ現実に近く叶えることができるのか」
実はね、俺も昔考えたんよ。
地下にものすごい深く穴を掘っていけばいつか違う国に出て、そのつながった穴をエレベーターでつないだら、空を飛ぶよりもキョリは短いし、早くいけるんちゃうかな~と考えたこともあるんだ。
でも、これは難しいね!
もしまっすぐ下へ掘り進んだとしたら、確かに地球の裏側に着くと思うけど、
それは不可能。。
なんせ大陸地殻だけでも30kmくらいあるし、そっからマントルが2900kmまであって、外殻が2900kmから5100kmまで、内殻が6400kmまであるんよ。。
これね。
1:内核、2:外核、3:下部マントル、4:上部マントル、5:地殻、6:地表
しかも地下へ行くにつれて気圧も上がって大変やし、生きてゆけない!!
というか、むしろ今人類が掘れる深さは、ボーリング技術を用いても約8000mくらいで、
つまり地殻さえも超えられないんですわ。。
ちなみに世界最深のボーリングコアは、スガンジナビア半島の付け根にあるコラ半島の学術ボーリングで、12,262mらしいです。
現実味があるとすれば、地殻をある深さまで掘り進んで、あとは地表に沿ってぐるりと平行に掘り進むという手もあるけど。。
地球の半径が約6400kmだから、その円周の半分である2万kmを堀り続けなければならない!!!
有名なアメリカのニューヨーク市地下鉄の総延長が1000kmだから、その実に20倍!!!
これは大変なことだ。。
しかし、ん、20倍か。。
やろうと思えば出来るかもしれないな。。
ただ、現実的なことを考えてみれば、太平洋よりも深く通らなければならないことや、海嶺など地殻変動の激しい地形や、海溝など深すぎる地形を避けて通らなければならなかったりで、やはり難しい。。
さらに、国と国には領地の問題もあるし、一番のネックはその莫大なる費用!!
やはり現実にはほぼ確実に不可能だろう。。
と、なると!
どうやってその子に納得してもらいつつ現実的に夢を叶えさせてあげられるだろうか?
子供というものは得てして簡単には納得してくれないし、
かといって誤魔化すようなことはしたくない。
そこで!
とりあえず運動場にトンネルを作ってみよう。
運動場の端から端まで(じゃなくてもいいけど)のキョリを実際にとりあえず掘ってみて、
それよりもうんと深く、うんと長く掘ればいつか地球の裏側までいけるんだ、ってことを伝えてみよう。
やはり実際に掘ってみないと大変さはわからない。
(もちろん真下に掘ると人間が通れない、熱い熱いコアにたどり着くから無理だということも伝えてみる)
これくらいの穴掘りなら、自力でやってみたいよね!!
どれくらいかかるのかわからへんけど、ちょっと考えてみよ☆
まずは図面を計画的に書く。人が入れるくらいの大きさで、しかも強度があり、うまくつながるようにしないといけない。
そのあと、石灰で白線を引くやつ(ラインカーっていうんだっけ?)で実際に掘る場所(入り口と出口、さらにそれをつなぐライン)を引いておく。
それが終れば、学校中の人手を借りて、軍手にスコップにヘルメット。。
愛妻(母)弁当と水筒をもって、準備は万端!!
みんなで楽しく、穴掘りの始まりだ~~
って、実は掘ってみたらわかると思うのですが、
運動場って意外と土が固いんよね。。
おそらく大人の力ですら且つなかなか掘れず。
況や子供の力をや!!
でも、一度やりはじめたこと、やり遂げるしかない。。
このブログもどこへ行くのかわからないが、やり遂げるしかないのだ!!
と、そこへ、大きなショベルカーが2台学校へ。。
ガキ大将のたけしくんのお父さんである、源さんが手伝いにやってきてくれたのだ!!
「へっ、先生が困ってるってせがれから聞いたもんで…俺でよけりゃあ力になりやすぜ!!」
ショベルカーがあれば鬼に金棒!!入り口付近の穴はものの数日で完成した。
そのあとも、PTAから圧力がかかったり、
体育の橘先生と一悶着あったり、
掘りたいと言った張本人であるおさむくんが諦めかけたりと、
幾度とない苦難があった。
しかし、西山は諦めず、なんとか最後の最後までこぎつけることができた。。
そしてついに、二つの穴が一つにつながる。。
その最後の瞬間にスコップを握るのは、出口の穴側にいる先生と、その生徒である、入り口の穴側にいるおさむ君。。
壁を隔てながらも、もうお互いの声は聞こえるほどに近い。
「さあ、おさむくん、最後だ。。」「うん、先生。。」
「せぇ~~~の!!」
ザクッ!!!
ぼろぼろぼろ、、、(土の崩れる音)
ドンツドンツドンツ ドンドン
ドンツドンツドンツ ドントン
ドンツドンツドンツ ドンドン
ドンツドンツドンツ ドントン
風の中のす~~ばる~~~
砂の中のぎ~~んが~~~
全員が、息を呑んだ。
場内は静まり返っていた。
そのとき、トンネルが、つながった。
堀り切るまでは顔を合わさない。
そう固く誓った教師と生徒とが、トンネルの中で再会を果たした。
「せ、先生!」
おさむは思わず声を出した。
西山は胸が熱くなった…
一斉に、大きな拍手が沸いた。
二人の男が、運動場トンネル開通の悲願を達成した瞬間だった。
西山は、泣いていた。。
(中島みゆき 『ヘッドライト・テールライト』)
あれから…
掘ってあったトンネルはそれから1週間は子供たちの格好の遊び場として定着したが、来るべき運動会のために再び埋められた。今、全長125mの大きな穴は、その役目を静かに終え、学校はもとの喧騒に包まれている。
「やっぱり、子供の喜ぶ顔を見たかったんでしょう。それが教師としての役割ですから」
なぜトンネルを掘ったのか。その問いに西山はこう答えた。
夢を実現したおさむもまた、いつもと変わらぬ日常を送っている。
子供の夢からはじまったトンネルプロジェクトは、ここに終わりを告げた。。。
「掘れ!先生!!運動場トンネル大作戦」
生徒の夢のために掘り続けた男
終